歯の喪失の影響

高齢になると、むし歯や歯周病のために歯を失う可能性が高くなります。歯の喪失は咀嚼機能を低下させる主な原因です。また加齢にともない口腔周囲の筋肉の量が減少し、咀嚼機能の低下を招きます。
歯の喪失・咀嚼機能の低下は脳機能に大きな影響を与えることが報告され、たとえば咀嚼機能の低下は海馬萎縮の原因のひとつと考えられています。海馬は記憶や空間学習能力に関係する大脳の一部で、アルツハイマー病の最初の病変部位として知られています。
三叉神経は12対ある脳神経の中で最大の神経であり、多数の歯の喪失により三叉神経系の感覚情報が減弱すると、学習や記憶などの高次脳機能が阻害されます。
う蝕・歯周病・歯の喪失などを放置すると、しっかりと咀嚼ができなくなり、軟らかいものを食べるようになります。動物実験では軟らかい食物を食べていると、ドパミン作動性神経系に障害がもたらされることが報告されています。ドパミンは神経伝達物質と言われ、高齢者に多いパーキンソン病ではドパミンが減少します。
義歯装着などの歯科治療を受け、咀嚼機能を回復することによって脳機能が活性化されます。
歯の喪失やう蝕・歯周病などを放置せず、歯科治療を受けて口腔の健康(咀嚼機能)を回復することが、健やかな高齢期を過ごすために必要です。
Dr.コ

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